2017年に発生した積水ハウスの詐欺事件は、まさに驚きの出来事でした。
この詐欺は、他人の土地を所有者に成りすまして売り払い、巨額の金額だけを手にして逃走するという手口で、上場企業の積水ハウスは約55億円もの被害を被りました。
最近私が読んだ2冊の本でも、この事件に関する驚くべき事実が明らかにされました。積水ハウスは上場企業でありながら、なりすましにお金を支払ってしまったのです。
本の中では、事件に気づくチャンスが何度もあったにもかかわらず、積水ハウスは騙されてしまったという衝撃的な事実が描かれています。
事件の裏には五反田にある廃業旅館が絡んでおり、旅館のオーナーが入院中になりすましの人物が積水ハウスを欺いたのです。
ちなみに「廃業旅館」とは西五反田で大正期に創業した「海喜館」(うみきかん)のことです。
敷地面積は600坪以上とのこと。
Googleストリートビューより(2015年前後)
詐欺グループは、一部の大金を手に入れれば良いという考えでおり、手付け金14億円を支払いつつも、残りの巨額を前倒しで受け取るように引き延ばされ、土地の売却も行われてしまいました。
通常、土地の購入にはパスポートや印鑑証明、運転免許などの本人確認が行われます。
この事件では司法書士や積水ハウス社内の法務関係者も関与していたにもかかわらず、積水ハウスは騙される結果となりました。
どうやら近所への確認が甘かったようです。
(通常、身分証明書の写真をご近所さんに見せて確認する)
事件の結末として、当時の会長が社長を解任しようとしたところ逆に会長が解任され、内紛が激化したとされています。
積水ハウスの詐欺事件は一時社会の注目を集めましたが、現在では忘れ去られつつあるようです。しかしこの事件を通じて、不動産業界や企業が一層の警戒を必要としていることが浮き彫りになりました。
仮登記の問題
仮登記の問題についても触れてみましょう。
この問題では、土地の仮登記段階でトラブルが発生しています。オーナー本人は入院中で、出来事についての情報が伝わっていないようです。内容証明郵便が何度も届いても無視されました。
これが土地買収に対して敵対的な相手からの妨害行為との認識であったため。
さらに、決裁前倒しの依頼や、本人ではなく別の会社に対応してもらうような要求もありました。不自然な点や問題が何度もあったにもかかわらず、これらは無視され、結果として刑事訴訟が起こされる事態となりました。
社会の問題に対して目を向ける必要があります。この話は面白く、詳細なので一冊の本になる価値があると考えます。地面誌は週刊誌程度の頻度で発行されており、最近は再び問題が増えてきているため、地面誌グループが立ち上がりました。
ただし、立憲逮捕が難しく、有罪になっても長い刑期ではないため、我々も警戒が必要です。
問題の物件です。結局、地主さんが亡くなられて、別の会社に買われました。
24年春ごろタワマンとして販売されるようです。
今日はここまでとしましょう。