2023年の日本の経常収支は20兆6195億円と、2年ぶりに20兆円台の黒字に復帰した。
黒字幅は前年比9兆9151億円の増加であり、その増加幅のほとんどは貿易収支の赤字が半減以下になったことで説明できる。
さらに言えば、貿易収支赤字の減少は言うまでもなく、資源高の一幅で輸入が大幅減少したことで説明可能だ。
貿易収支以外ではサービス収支赤字が大きく減少したことも、経常収支の黒字の押し上げに寄与した。出典:ロイター
ということで、ロイターに載っていたコラムについて書こうかと…。
で、最初に結論を言います。
経常黒字でもお金が出て行ってますよっていう、そういうお話ですよ。
その前に経常収支に関して簡単にご説明しておきます。
経常収支の内訳
経常収支は、一国の海外との経済取引の収支を示す指標です。
内訳は以下の4つです。
- 貿易収支:モノの輸出から輸入を差し引いた収支
- サービス収支:旅行や特許使用料などの収支
- 第一次所得収支:海外投資から得た利子・配当などの収支
- 第二次所得収支:ODAなどの無償資金援助の収支
これらの4つの収支を合計したものが経常収支となります。
補足
- 経常収支は、一国の経済健全性を測る指標の一つとして用いられます。
- 黒字は海外から資金を獲得、赤字は海外に資金を支払っていることを示します。
なので20兆とかの黒字でもキャッシュフローでお金の流れは日本国内から海外に行ってますよというお話。これが円安になっている理由の一つということでもありますよ。
じゃあ、もうちょっと細かく見ていこうかな。
これ統計上は黒字なんですけどね。要はまずはこれが第一次所得収支かな。
簡単に言うと海外の子会社が稼いだお金。
これが第一次所得収支に入るわけですけど、実際には日本国内に帰ってませんよ。
これは利益なんでね。その現地法人が設けたお金ですよ。
もう日本国内に帰ってこずに、配当とかでちょっと前は日本国内に返ってきてたんですけど、親会社の方に。
これがもう配当とかじゃなくて現地で工場を建てたりとか、そういう使われ方をするので、日本国内に返ってきませんねっていうお話。
この第一次所得収支がもう34兆5000億ぐらいありますから、大きいですよ。
これはというかかなり大きいですよ。この数字。
35兆円の第一次所得の黒字なんですけれども、日本に還流されずに現地でそのまま投資される。
いろんな設備とかあと有価証券かな。そういうのに投資されるっていうことなんで、これはもう日本に帰りません。
とすると、キャッシュフローベースで考えるとお金の流れですよね。
第一次所得収支の黒字は35兆円から12兆円ぐらいじゃないの?っていう、そういう試算があります。
見た目の黒字は35兆円だけど、実際には12兆円…
3分の1ぐらいになるかなということですよね。
これが第一次所得収支のお話。
次はサービス収支。サービス収支ですね、特に旅行収支ですよ。これはもう過去最大の黒字。
要するに外国人が来て日本に落としていただくお金。
旅行収支黒字は3兆4千億。
2019年新型コロナ前が2兆7千億なんで7千億円ぐらい増えてますよっていうことです。
旅行収支は3兆円台の黒字なんですけど、その他サービス収支っていうのが赤字ですよ。
6兆円。これが6兆円ぐらいです。ということは差し引きここで2兆円以上の赤字ということになってますよ。
これはね、その他サービス収支、要はデジタル小作人と言われてる言葉です。
何かというともう海外のものにお金を使われてしまってますよ。
そこにお金が出ていってます。
例えばNetflixなんていうものもあるし、今これロイターを読んでますけど、ロイターにも広告が貼られてますから、それにもおカネが出て行こうっていうことになるでしょう。
他にも他にもいっぱいありますよ。
デジタル小作人、我々小作人とすると海外のね、直接外貨払いするようなデジタルの仕事のためのツールですよね。
結構高いのあるんですよ。
Googleとか基本無料ですけど、でもAmazonのありますよね。
365なんていうのもあるし、Office 365のあのサブスクのやつですよね。サブスク系結構ありますよね。
あの辺はそんなに高くないけど、これがチリツモっていうやつですよ。つもりに積もっていけば。
あとFacebookとかインスタの広告ですよね。これも海外に出ていきますよね。
Googleももちろん、広告費が落ちてますよね。
っていうところで、
・旅行収支で過去最大の黒字
だけど
・貿易収支赤字
なんで、
・第一次所得収支で稼いでもそのお金は国内に入ってこずに、
いろんなことでお金が出てって、
・結局キャッシュフローベースで見たらこれ赤字じゃないの?
っていうこのコラムの筆者が指摘してます。
計算してるらしいんで、おそらく実際そうかなっていうふうに思ったりもしますよ。
実際に自分のことも国内の方から売り上げは立ちますけど、でもツール代とかあるいはいろんなもんですよね。
DAZNもあるし、アマプラもあるし、これお金出ていってますよっていうことなんで、これが円安の一つの原因の一つですからね。
っていうふうにこの筆者は、コラムで指摘してますよ。なるほどそうかなと思いながらもちょっと新たな視点だったので、面白かったです。
日本のツールは、特にお仕事系のツールがもう一つなのが多い。
英語でも海外の方がいいぞっていうのが結構あるので、これはやむを得ず使ってますよっていう感じですよ。
予約ソフトのcalendly とか 当然canvaも海外ですよね?
日本の予約ツールはいまいち使いづらい。
あと、Gメールとかももうなくてはならないとか、あれはお金かからないですけど、でも広告を出している先がありますよね。
先というか元というか。
そういうのを日本の企業さんももうちょっと頑張って頂けると嬉しいです。