人類史上最速の人口減少国。
高齢化かつては韓国の経済成長に貢献した少子化だが、経済と社会に与えるマイナスの影響が深刻に。
今の時代、人口減と高齢化の脅威に怯える国は少なくないが、最も深刻なのは韓国だ。60年ほど前から、人類史上最速のペースで出生率の低下が続いている。
ニューズウィーク
これはアメリカのテキサスA&M大学教授が書いた記事です
なので、別に日本人が書いたりとか、韓国人が書いてるわけではないです。
要は客観的に外から見て…という記事ですね。
1960年当時、韓国の合計特殊出生率は6.0弱でした。
合計特殊出生率というのは、一人の女性が一生の間に産む子供の数です。
1960年には平均的にひとりの女性で6人ぐらい産んでたっていうことですよ。
2023年には0.72にまで低下しています。
韓国統計庁
番組などで人口問題をよく取り上げるのは、一番予測しやすい未来だからなんですよ。
そしてかなり株価への影響も大きいです。
日本は少子高齢化において世界の中ではトップランナーです。
現在の韓国は少子高齢化ということであれば、我が国よりも遥かにしのぐような勢いになってきています。
韓国統計庁は16日までに、国内の総人口が2022年の5167万人から、半世紀後の72年には約30%減の3622万人になるとの推計を発表した。女性1人が生涯に産む子どもの推定人数を示す合計特殊出生率は22年時点で0.78と既に世界最低水準になっているが、さらに落ち込むと予測した。
韓国では物価高や雇用不安、学歴社会で強いられる教育費負担などから、少子化に歯止めがかかっていない。統計庁が14日発表した推計によると、出生率は今年0.72となり、25年に0.65で下げ止まると見通した。
23年12月 日経新聞
韓国の場合、日本よりも少子化がちょっと遅れてきてます。
80年代〜90年代生まれの方とかが多いので、まだ大丈夫なんですけど。
今、韓国の合計特殊出生率が0.72ですから、一人の女性が産む子供の数ということは、一人が一人産まなくなっているんです。
人口を維持するには?
これは人口を維持しようとしたら2.07が必要と言われている数字です。
合計特殊出生率が2人ちょい産まれてやっと人口は維持されるということなんですけど。
合計特殊出生率で2以上ということは男性がいるからです。
男の人は子供を産めないので、ということは、夫婦2人いて、2人ちょっとです。
2人ちょっと生まれてきてやっと人口維持ができます。
2.07とかちょっと超えてるのは、若くして亡くなる人もいたりとか、男女がそもそもアンバランスなんで、男の方が普通はちょっとだけ多いとかっていうのがありますから。
その辺を加味して2.07ということです。
韓国はそれが今や0.72ですから、必要な子供の数の3分の1近いですよ。
なんでこうなのっていうお話。
これは人口ボーナスと書いてあったんで、人口の配当ってここには訳されてます。
人口ボーナスっていうのは何かというと、少子化、まず子供が生まれます、たくさん、日本も生まれましたよ、団塊の世代とか、団塊のジュニア。
これが無事成長していって、その後に少子化になったとしたら…
要は生産年齢人口っていうのが15歳から64歳です。
主に働いて稼げるぐらいの年代ということですよ。
これに比べて0歳から14歳とか65歳以上っていうのは、あまりお仕事に関係しない、稼いでいく年代じゃないです。
本当は65歳を超えても日本の場合は働いてますけど、70歳とかも平気で働いてますけど、そこは置いておきましょう。
で、
この少子化。
まず子供が生まれ、その産まれた子供が20歳ぐらいに育ってきます。
そこから先に少子化になるということは、要するに稼がない人口が少ないほど経済成長しやすくなるというお話です。
韓国が今そうですよ、ということにこの記事ではなっています。
ただし、このまま少子化が続くと危ないんじゃないって いうふうに言ってます。
韓国の出生率、合計特殊出生率を見てみると、1984年はまだ2.17から1.93に低下しています。
ただし、そこから少子化と、ちょうどいい20代から30代ぐらいかそれぐらいの人たちが多くて、人口ボーナス、経済成長しましたようです。
日本の話
これは日本も戦後に同様にありました。
日本は、昭和22年から24年ぐらいの生まれの方が多いです。
俗にいう団塊の世代という方々がこちらに該当します。
その人たちが20代〜30代ぐらい、昭和40年代50年代ぐらいに経済が伸びました。これは日本ですよ。
団塊ジュニアが生まれたのは主に昭和50年代。
そして平成の最初、1990年ぐらいのバブルの絶頂期を迎えます。
この時は団塊の世代がまだ40代ぐらいですよ。
ここで絶頂期を迎えたわけですけど、金利を急激に上げたりとか、不動産の融資規制かけたりして、バブル崩壊。
その後に失われた30年…
日本は本当は1990年くらいにうまくやってたら人口構成的にはあと20年ぐらい経済拡大が続いた可能性があると思っています。
というのも、団塊ジュニア1974年生まれあたりからです。
ということは1990年というと10代半ばぐらいですよ。
そこからあとちょっと耐えてたらよかったんです。
18から20歳ぐらいになって、早い人は稼ぎ出す年齢です。
文科省:学校基本調査
90年では6割ぐらいが高校卒で就職していたようです。
ここを「バブルを潰せ潰せ」とやって、不景気になったために、稼ぐ世代が氷河期世代になってしまいました。
ロスジェネ世代と言われるようになりました。
もうちょっと、例えば2〜3年我慢してたらよかったんですよ。
我慢というのは、当時は土地や株が急騰するバブル状態でした。
それらを急速に潰さなくて良かったわけですよ。
統計を見てたら、これはどう見てもそうかな、と思ったりもします。
で、
韓国にお話を戻します。
近年の韓国の出生率
2012年、10年ちょっと前はまだ韓国の出生率っていうのは日本並みにあって、1.3とかありました。
急速に下がったのが2018年。
1を切ってます、0.98で、2021年では0.81で、去年0.72。
恐ろしいペースで下がってます。
これにはいろいろ理由がありますけど。
韓国だと、財閥に就職できないとちょっと人生しんどいよねっていうのもあるかもしれないし、いろいろ理由がありますよ。
あと、特に子供にお金がかかるようです。
少し前、子供のために塾代とお稽古ごとに月何十万円もかかりますよ、みたいな記事もありました。
それなら2人は産めませんっていうこともあります。
韓国の不動産賃貸制度
あとは韓国の賃貸の制度ですよ。
これはちょっと特殊な制度なんです。
韓国の賃貸マンションとかの不動産の賃貸の制度です。
まず高いと、すでにソウルはもう高くなっています。
東京より高いぐらいかもしれないです。
一般の物件を購入すると普通に1億円とかはします。
そうなると賃貸とかっていうお話になりますね。
韓国の賃貸制度はちょっと特殊で、2つの制度があります。
1つは普通の賃貸に近い制度です。
ウォルセとチョンセ
これを韓国語でウォルセと言います。
これはまず普通に家賃を払いますよ。
東京並みかそれ以上に物件価格が上がってるんで、家賃も東京並みの家賃だと思います。
普通に払うんですけど、保証金が高いんですよ。
ウォルセ、例えば家賃を月10万円と仮定します。
保証金が通常それの10ヶ月から1年分ぐらいなんで、100万から120万円ぐらいでしょうか。
まずこれがちょっとしんどいよ、と若い人たちは。
これワンルームの話なんで、結婚したらワンルームとはいかなくなるのでもっと上がりますよ。
家賃で十数万かとなると、保証金も百何十万とか200万円以上ぐらいになってくるのかな、っていうのがなかなかしんどいですよっていうお話。
これはウォルセっていう制度。
でもちょっと高いけど、日本も敷金・保証金制度はありますからちょっと高いけど一緒。
東京も家賃が今上がってるでしょうし、ソウルも高いし、香港ももっと高いっていうことですよ。
もう1つは、チョンセという制度があります。
韓国のもう1つの賃貸制度。
これは何かっていうと、家賃を払わない制度。
家賃を払わないといいんじゃない?ってなるんですけど、これは、マンション価格のだいたい7割ぐらいを無利息で大家さんに預けるんですよ。
1億してたら7000万をまず預けられるんか?っていう話ですよ。
ただし、家賃はかからないんです。
無利息で預けてるので。
でも最後に、その代わりの時に利息がつかない、その預けた分だけ帰ってきます。
大家さんからすると、それを運用して収益を上げるということなんです。
確かに今、韓国も不動産価格が上がっていて、賃貸の制度とかもあって、面白いなと思って読んでたわけですけど。
韓国このまま行くと危機的ペースです。
とはいえ、日本のこと我々は心配しないといけないんで韓国も大変ですが日本も大変ですね。
それでは。