イギリス国内から中国共産党が仕掛ける経済戦争と反発の声。
英国全土で中国企業が偽造したとみられる偽の郵便切手が大量に流通し、郵便事業に深刻な悪影響を及ぼしている。
偽造切手が貼られた郵便物を受け取った側が、罰金として5ポンド(約960円)郵便局に請求される事例も続出し、郵便会社に対策を求める声が急速に広がっている。
産経新聞
ニセ切手販売
中国の業者がいろいろあくどいことをやってますね。
格安で偽の切手を作りますよってやってるみたいなんですよ。
イギリス国内で購入できる通常の切手の価格は85ペンス〜2ポンド10ペンス。
(1ポンド≒190円:24年4月、1ポンド=100ペンス)
2ポンド10ペンスって言うと400円弱ぐらいです。
それを4ペンス(約7~8円)くらいで中国のニセ切手を販売しているようです。
本物の50分の1とか、それぐらいの金額です。
それが大量に流通して、英国内は混乱しているようです。
今、中国政府が直接関与しているかどうかはわからないです。
わからないけど全体主義国家なので取り締まるはずですが、それはしてないようです。
なので、黙認してるのは確実です。
実話に基づく映画
これ見て思い出したのは、第二次世界大戦の時にナチスドイツがやっぱりイギリスポンドの偽札を作ったお話。
切手じゃなくてお札ですけどね。
ナチスがやった偽札作戦があるんですよ。
「ヒトラーの贋札」という映画にもなっています。
2008年にアカデミー外国語映画賞もとっていますよ!
↓
偽札作戦はベルンハルト作戦といいます。
ナチスのSS(親衛隊)少佐 ベルンハルト・クリューガーによって指揮されていたためです。
イギリスのポンド紙幣、しかも高額紙幣にあたるようなのを大量に作って、これがうまくいったんですよ。
5ポンド紙幣を中心に作っていたようです。
現在価値で1ポンドは1万円前後のようです。
なので、5ポンド≒5万円ということになりますね。
なかなかの高額紙幣です。
精巧なポンド紙幣を作って、映画の中ではスイスの銀行で使用したりしています。
そこに至る前に…
最初は紙幣ができるまでは苦労するわけですよ。
ポンド紙幣は素材がなんでできてるのかな?とか。
日本のお札もそうですよ、普通の紙じゃないですよね。
あれこの紙は何かなぁ?とかっていうところから始まって、紙が何を使ってるか分析の結果わかった。
でも、何か違う…そして工夫を重ねて…
というのから、当然偽造防止の技術がある絵やら数字やら入ってます。
それぞれの職人が自分の持てる技術を結集させます。
そして、ようやく納得いく出来の紙幣(ニセ札)ができます。
出来たニセ札をついに使用
当時も金融立国であるスイスの銀行にできたニセ札を一般市民のふりをしたナチスの工作員が持ち込みます。
そして、本物のお札の体裁でこれを預けられるかな?って尋ねます。
確か、どこかから受け取ったお札で真贋が気になるというような設定だったかな?
スイスの銀行員が我が銀行が総力をもって判定した結果、「このお札は本物です」とかって言って受け取る。
その工作員が調子に乗って、これは完璧を期すためにイングランド銀行、
(日本で言うところの日銀、中央銀行)に持ち込んで、そこのお墨付きも得たいんだ、と言います。
結果、イングランド銀行でお札の鑑定をしてもらって、それも通ったと本物と言われていました。
それぐらい精巧なニセ札ができた、っていうこのベルンハルト作戦。
これはナチスがイギリス金融界を混乱させようとしてやって、それはうまくいったんですよ。
1944年と第二次世界大戦終盤なので、途中でナチスはお金がなくなってきたんです。
ポンド、そのニセ札紙幣で戦費の一部を支払っていたようです。
あるいは工作員のお給料もニセ札紙幣で払っていたこともあるようです。
そして、今度は米ドルに対してニセ札づくりををやろうということになります。
ニセ札づくりを実行した人たち
このニセ札は有名なアウシュビッツをはじめ、強制収容所にとらわれていたユダヤの人たちが作ってたんですよ。
印刷業を営んでいた人とか、もともと偽札を作ってた犯罪者とか、デザイン関係の人とか。
ユダヤ人の収容所に入れられている人たちを寄せ集めてきて、待遇を良くして作ってました。
でも今度米ドル作るぞと、今度うまくいったでしょ、みたいなお話になって、米ドル、米ドルをうまく作ったら今度こそ我々を殺されるんじゃない?
口封じのために殺される…
米ドルニセ札の完成をわざと伸ばし伸ばします。
結局、ニセ札ができる前にナチスの崩壊によって無理やり協力させられていたユダヤの人たちは解放されました。というのがベルンハルト作戦。
今回の記事でそれを思い出しました。
これはチャイナがイギリスに対して切手でやってるという今回の話。
チェックはお札のが当然厳しいので、
これでもイギリスからしたらナチスの記憶が蘇るんじゃないですかね?
最終的には、ニセ札が出回ってしまって、確か5ポンド以上のお札かな、
1億3200万ポンドの贋札が流通したというお話。
で、
これは当時イギリスの外貨準備高の4倍のようです。
現在価値で1兆円以上にはなりますよ。
この贋札はイギリスでも偽とも本物とも見分けがつきません。
とりあえず、全部回収支援回収して一旦、廃棄処分したんですよ。
それがポンドの基軸通貨体制を終わらせた原因の1つとも言われてます。
主力エネルギーが石炭から石油に代わったとか別の要因よりもいろいろありますけどね。
そういうことをチャイナがやって、イギリスはかなり頭にきていると思いますついてますよ。
日本でもこういう事態が起こると大混乱は必至でしょうね。
ということで、本日はこんなところまで。
それでは。
参考
ベルンハルト・クリューガー:ナチス・ドイツの諜報員、作家、ジャーナリスト
ベルンハルト・クリューガーは、1904年11月26日、ドイツ帝国プロイセン王国ポメラニア州シュチェチンに生まれた。1929年には国家社会主義ドイツ労働者党(ナチ党)に入党し、1933年には親衛隊(SS)に入隊。
1939年、クリューガーは国家保安本部第VI局(国外諜報)に配属され、ナチス・ドイツの諜報活動において重要な役割を果たすことに。
スイスにおける諜報活動、スペイン内戦への関与、ソ連における諜報活動など、様々な任務を行う。
第二次世界大戦中の1943年から敗戦まで実施されたポンド紙幣贋造の秘密作戦(ベルンハルト作戦)も指揮した。
第二次世界大戦終戦後、クリューガーは連合国軍によって逮捕され、ニュルンベルク裁判にかけられた。しかし、証拠不足により無罪判決を受け、釈放。
その後、クリューガーは作家、ジャーナリストとして活動し、自身の経験について多くの著作を残す。
代表的な著書としては、「The Partisan」(1950年)、「The Stars」(1953年)、「The Secret Life of an Agent」(1962年)など。
1989年1月3日、西ドイツ・ハンブルクで死去した。享年84歳。
ベルリンの壁崩壊の約10か月前だった。