軽くて曲がる安価なペロブスカイト型太陽電池に関する特許出願数で、中国が日本に迫っている。2021年の年間出願数は、中国が70件で日本の4倍近かった。しかし、過去20年間の蓄積では日本が首位で、特許出願数ランキングでは、パナソニックが1位、メルコ(ドイツ)が2位、東芝が3位、積水化学が6位と、日本勢が上位を占めている。
ペロブスカイト型太陽電池は、従来のシリコン型太陽電池に比べて、製造コストが安く、重量が軽く、曲げることができるというメリットがある。そのため、屋根や壁面だけでなく、車や衣類など、さまざまな用途に応用できる可能性がある。
日経新聞
いいことずくめに見える次世代の太陽光ですが、
・鉛を使うために環境負荷が高くなる
・大型化が難しいこと
などの課題もありますね。
日本勢は、耐久性などの強みを生かして、こうした課題を克服し、曲がる太陽電池市場で競争力を維持していく必要がります。
結論:
曲がる太陽電池は、今後の太陽光発電市場の大きな可能性を秘めている。日本勢は、特許で先行する強みを活かして、耐久性などの課題を克服し、この市場で勝ち抜いていくことが期待される。
補足
- ペロブスカイト型太陽電池の特徴
ペロブスカイト型太陽電池は、太陽光を吸収する材料にペロブスカイト結晶構造を持つ化合物を用いたもので、2009年に日本の桐蔭横浜大学の宮坂力特任教授らによって発明されました。
ペロブスカイト結晶構造は、結晶格子が規則正しく並ぶシリコン結晶構造とは異なり、不規則な構造をしています。そのため、太陽光を吸収する効率が良く、製造コストを抑えることができるというメリットがあります。
また、ペロブスカイト型太陽電池は、曲げることができるという特徴もあります。そのため、屋根や壁面だけでなく、車や衣類など、さまざまな用途に応用できる可能性があります。
- 中国の追い上げの背景
中国は、近年、太陽光発電関連の技術開発を積極的に進めています。特に、ペロブスカイト型太陽電池の分野では、2021年の年間出願数で日本を抜き、世界トップの地位を獲得しました。
中国の追い上げの背景には、以下の要因が考えられます。
* 中国政府による太陽光発電産業の育成政策
* 中国企業の技術力向上
* 中国の低コストの製造技術
- 課題の解説
鉛は、太陽電池の製造工程で用いられる材料ですが、有害な物質として知られています。そのため、鉛を使わないペロブスカイト型太陽電池では、環境負荷を抑えるための新たな材料や製造技術の開発が必要となります。
また、ペロブスカイト型太陽電池は、大型化が難しいという課題もあります。そのため、屋根や壁面など、広い面積に設置する用途では、シリコン型太陽電池に比べてコストが高くなる可能性があります。
日本勢は、これらの課題を克服し、曲がる太陽電池市場で競争力を維持していく必要があるでしょう。